こうもりだこ通信

詩歌を作っている岡本はなと申します。「短歌人」所属。ロックンロール、沖縄民謡愛好家。BOOMER歴24年です。

2008年10月

8年の仕事が終わった

もう昨日のことになったけれど、書いておこう。

2000年9月12日、倉庫が東海豪雨の水害で濁流に浸かった。
商品や資材が水没し、かなり損害を受けた。

濡れてどろどろになった花火の片付け、その後被害を受けた品物だけ倉庫の一角に集めてあったが、カビが生え、ぐずぐずに崩れ、しかし火薬は生きている。処理してくれるところの当てはなく、倉庫の敷地内で法律にのっとって、焼却することに。

最初はドラム缶で、その後ブロックを積んだ手作りの炉で。
どんなふうに燃えるかわからないので、少量しか燃やせない。思いがけなく「爆燃」するものもあり、よく怪我しなかったものだと思う。
かれこれ8年、焼却作業にかかってしまった。

終わった日の夕食、ささやかにビールでお祝いした。といっても夫はビールを飲まない。シュークリームを買っておいたら喜んで食べてくれた。
一番大変だったのは焼却作業を中心にやった夫。本当に感謝。

あなたがいなかったらこんなに早く終わらなかったかもしれない。
(一生かかるかと思った)

負の遺産の仕事が終わった。とてもほっとして、開放された気分。

最近読んだ本

『秘密』 東野圭吾 文春文庫

 バス事故で妻が亡くなり、娘が助かったと思ったら、娘の身体に妻の意識が「憑依」していたという話。
 夫の狼狽振り、小学生からもう一度人生を生き直そうとする「妻」と、なんとか生活を作っていこうとする姿がどこかコミカルに綴られる。事故の加害者家族とのつながりも丁寧に描かれ、考えさせられる。
 最後は娘の意識がもどり、母である妻は消えることを選ぶのだが…?
 うまいなあ。独特の文体ではないけれど、きめこまかな心理描写にぐいぐい引き込まれてゆく、謎も残された読後は満足、満足。


『山手線内回り』 柳美里 

 自死に向かう主人公たち。
 妻に死なれてしまう男。

 最初のの二編は怖かったなあ。一番目、『8月の果て』以来手に入れた文体、擬音語やコトバの躍動感がすばらしい。でも、これでもかと性描写にこだわるのはどうなんだろう。2番目は不安神経症的になっていき、ついには刀折れ矢尽き、幼児を置いて鉄道自殺する女性だが、この状況で死ぬか?と疑問が残る。
 最後の、大阪弁の夫の話はおもしろかった。悲惨な状況がここまで喜劇になるとは、大阪弁恐るべし。最後の絵文字にはショック…。


『あけがたにくるひとよ』永瀬清子

 表題に惹かれ、読みたいと願っていた。
 シンプルで力強い言葉、どこか茨木のり子さんも思わせる。


『戦後詩史論』吉本隆明 思潮社

 チョコチョコ読んでます。
 お勉強になります。
 詩論にはめずらしく、あまり堅苦しくなく読み進んでいけます。





自由詩・「墜ちる鷲」

   「墜ちる鷲」



とてもとても大きな鷲が
翼を広げてゆっくりと墜ちてゆきます
ジャンボジェット機ほどの「鳥」は
よく見るとハリボテでできていて
薄紙のような外側が破れて木の骨が見えたところから
メラメラと軽々しく、軽々しく燃えはじめました


その下では
女も男もたくさんの人が逃げていました
しりもちをついて天を仰ぐ人もいました
黒いかばんが幾つも落ちて中から
たくさんの書類や札束が散らばりました
お金も
書類も
かばんも
人も
びっくりするほど軽々しく燃えました


そのとき
わたしは地球の裏側から来た魚?を食べていました
科学者たちは上気した頬でテレビに映っていました
ホッキョクグマは痩せた身体でうろついていました
カマキリのメスはオスを食べようと追いかけていました
父親は赤ん坊の粉ミルクが欲しくて万引きしました
若者はネットカフェで死んだように眠っていました



とてもとても大きな鷲が
翼を広げて
ゆっくりと墜ちてゆきます

パイロットは勇ましく胸を張りました
「われわれは困難を乗り越えるのだ」
ある音楽家はその昔いいました
「人類はいつか滅びる。その滅び方が問題だ」
新しいページを書き加える歴史家は
まだ、いません


イランのモスクに
ヨーロッパの宮殿に
アボリジニの集落に
キリマンジャロの麓に
アマゾンのジャングルに
インドネシアの海辺に
中国の内陸の摩天楼に
おびただしい「鳥」の破片が
燃えながら落ちてゆきます


交差点に
スーパーマーケットに
町工場に
畑の作物に
公園に
庭先に
わたしの家の庭先に
メラメラと「鳥」の破片が
襲いかかって燃え上がります


どうやらわたしの足元まで
メラメラと炎がせまって来たようです


わたしは逃げるべきでしょうか?
どこへ逃げればいいのでしょうか?
足元がまっ赤に熱を持ってきました
わたしはまだ立ち尽くしています


           2008年10月13日

           







『NORIさん弾き語りライブ』&詩の朗読

☆イベント告知☆

『NORIさん弾き語りライブ』

※愛知県周辺で活動しているノリさんのギター弾き語りです。
フォーク・ロック・童謡など、ハートフルなステージ。
今回はなんと!ゲストに詩の朗読・絵画展示もあり。


日時:11月22日(土)

第一部 13:30?15:30「男心と秋の空」

第二部 18:30?20:30「秋の夜長に…」


 【ゲスト・詩の朗読】

 第一部 MISAE、岡本はな    
 第二部 つちやしほ、みおよしき、岡本はな

木戸銭(料金):100円
        別途100円にて淹れたてコーヒーが飲めます。

会場:安祥閣・2階和室
  (0566)74?3333
   安城市安城町馬池97?1
   名鉄西尾線南安城駅より徒歩12分、JR安城駅より徒歩20分

  

《問い合わせ》
(0566)99?7955(岡本)
 または岡本はなまでメッセージください。











 
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