永井ますみさんのサイト『山の街から』の連詩コーナーに投稿した詩。

『山の街から』
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【第13回連詩】

36.遠野(はなびーる)
ししゃものような足になりたい。めりはりの無いふくらはぎに運動不足を反省。馬と愛し合い、馬の首ととも天に駆けのぼり、「オシラサマ」になったという娘は、美しいふくらはぎだったのだろうか。


37.不機嫌(はなびーる)
鬱のあなたのこころを浮き立たせようと、おどけてフィギュアスケートの真似をする。回転するわたし。「もう演技はやめろよ」とあなた。わかっていても、莫迦みたいに回り続けるしかない。止まったとき、すべてが暴かれてしまう気がして。


38.変身(はなびーる)
つぶつぶつぶ。泡を吹く僕。箱の中は暗くて生温かい、生え始めた口髭を引っぱる、不揃いでからかわれるな。体はお湯に溶けて、別の生き物に生まれ変わる。蟹がいい。時間なんてのびのびになって、なくなってしまえ。明日の学校だって、つぶつぶつぶ…カラリ、風呂場の戸が開いて母さんの声。「まあ、蓋なんかして入って。早く出なさい」


39.線路内(はなびーる)
アンソニー・ホプキンスは走り続け…終始しゃべり続けていた…そうでなければ音楽が …すき間なく流れ…映画が終われば…お風呂そうじが待っている…このレールからなかなか降りられない…リタイア。。。という言葉に憧れる…

40.桃の節句

(お休み)

41.クレマチス(はなびーる)
隣のミツさんが救急車で運ばれた翌朝、マダム・バンホーテが咲いた。光沢のある白の、ふくよかな花弁。ミツさんが遠くで立って眺めていた。「よかった、帰ってこられたんだね。」夕方、通夜と葬式の知らせ。運ばれた晩に、亡くなったという。我家のクレマチスが好きで、開花を楽しみにしていたミツさん。「やっぱり、帰ってこられたんだね。」


42.憲法第九条(はなびーる)
理想主義者たちは、ときに馬鹿にされ、ときに熱狂的に迎えられ、夢を説いて廻った。夢はやがて、ゆるぎない現実となる。だからナンバー9よ、俯くな。理想以上のことは人間に出来ない。ならばその言葉を高く掲げよ。いつか、その昔兵器戦争をする不幸な時代があったと、歴史家は書くだろう。


43.七夕の節句(はなびーる)
このまま星々が遠ざかっていくように、離れ離れになるのかもしれない。いつのまにか三月に一度、やがて一年に一度しか。。囀る君の血のりを浴びて進みたいと願った日もあった。君が必要としなかったこの瞼の裏には、少し猫背の君のうしろ姿。


44.私?(はなびーる)
生まれは熊本ですたい。京都にも居たんどすけど、北海道に旅したら言葉移ったべや。沖縄のゴーヤも大好きさー。で今は、三河におるけどが、どえりゃーエビフリャーが好きだがや。気が多いけん、自分がわからん。頭コウモリ、足はタコ、胴体はヤギ、肝っ玉はミジンコ。あきさみよー!けったいなキマイラじゃんだらりん。


45.麻痺(はなびーる)
夜中、離れると鳴いて呼ぶので、添い寝する。骨ばった前足に手のひらを重ねた時、鼻面を甘えるように私の手に擦りつけた。体は麻痺していても、お前の心は瑞々しく、私の中に流れ込む。 ちぎれるほど尻尾を振る。好物のチクワを埋める場所にクークー悩む。8の字にビュンビュン駆け回る。幼犬からのお前の元気な姿が、早送りで映し出される。


46.ロボット(はなびーる)
ガチガチに緊張してた。入学式の君は右手右足いっしょに出して、ロボットみたいに。あれから20年近く、何回君の出発を見送ったろう。そのたびに遠くへ羽ばたく君。でも、また戻ってくるよね、地球は丸いんだし。カリフラワーの雲の天気予報、明日は晴れ。よいフライトを。

47.開いたまま

(お休み)

48.段々畑(はなびーる)
最初は溺れとるとは思わんかったの。夕方見回りに行ったら畑の用水の中で、ぐーるぐーる回っとるもんで、遊んどるのかって。そのうちぐったりして、棒を差し出したけど、遅かった。段々がきついもんで、トマトが転がったのを拾おうとしたんかな。一個ぐらい食べれたらよかったのに。可愛そうになあ、あの狸。

49.葉書

50.夏祭り

(お休み)