こうもりだこ通信

詩歌を作っている岡本はなと申します。「短歌人」所属。ロックンロール、沖縄民謡愛好家。BOOMER歴24年です。

詩の種覚え書き

目を凝らして

緑の闇をひとつ消すごとに、子供たちのこころのヤミがひとつ増えるよ。
イルミネーションの銀河に見とれて、大人たちのこころのヤミはひろがってゆくよ。だたいたずらに闇を怖れるのでなく、闇に注意深く目を凝らさないか。かすかな光が見えてこないだろうか。

檸檬

隣家の庭の、1本の檸檬の木。だれにも収穫されず、わすれられた果実が十数個、ぶらさがっている。黄色は色あせ、表面はだんだんと乾いていく。もう数ヶ月もそのままで、鳥たちにも顧みられない。このままでは、来年のための花も咲かないだろう。なんの用もなさない。それでも木は独りすっくりと立ち、檸檬は檸檬であることをやめない。同情などいらない、そういいたげに、檸檬は風に揺れている。

てんとう虫

冬の日向、てんとうむしがアスファルトを横切っている。じりじりと、でこぼこの路面を這っていた水玉模様の体が、こちらの視線を意識したのか、じっと動かなくなった。こちらもじっとしていたら、警戒を解いたのか、また動き始める。さっきより早く。小走りにみえるほど路肩に向かって、背中の真ん中がときどきかすかに開いては閉じる。跳ぼうとしているのだ、と思ったら跳んだ。黒い透明な羽が目に留まらぬ速さで振動する。てんとう虫は、あぜ道の枯れ草に止まり、陰に身を隠した。冷たい風の止み間。
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