2012年最初に図書館で借りました。

『神様2011』川上弘美  講談社
 東日本大震災前の「神様」、震災と原発事故後、加筆改稿された「神様2011」が収録されている。
 熊との、昔話のような交流の話だが、「あのこと」前後の、環境の変化が静かに語られていて、あとがきも含 めて興味深い。

『上手宰詩集』  土曜美術社
 ひさびさに、こんな詩をわたしは読みたかったのだ、とうれしくなった。
 「アスファルトに咲く花」 が特に気に入った。

『夜の小さな標』小柳玲子  花神社
 妖しい生き物に近寄っていくようなときめき。著者は画商でもあるらしい。
 うもれてゆく画家を世に出す仕事の中で書かれた詩が目を引く。。挿画のクノップフの絵「眠れるメドゥーサ」が、作品世界の香りをよく伝えている。

『テーブルの上の羊雲 テーブルの下のミルクティーという名の犬』相沢正一郎 
 親しいものの去った風景。どこか荒涼として、でもそこに埋もれる心地よさのような。
 ギリシャ悲劇の物語をもう一度めくってみたい。でも、この詩世界は、決して悲劇ではない。

『永遠まで』高橋睦郎  思潮社
 追悼詩がほとんどである。「奇妙な日」母への追悼だが、巻末にある、著者の赤子のとき、母に抱かれた写真が哀切。すべてをつかもうと近づくと、著者の心の深淵に圧倒されそうな。